お話~Lの小さな話
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カエルのLは。
田んぼの中に住んでいる。
何も好きで。
住んでいるわけではない。

父さん母さん。
爺さん婆さん。
先祖代々。
皆ここを離れずに。
住んでいたから。
自分もついでに。
住んでいるだけのことだ。

だから。
田んぼ以外の世界は。
何も知らないし。
ここ以外の生活など。
考えられない。

ぼんやり。
夕陽を眺めていると。
風が吹いて来た。

風は6月らしく。
蒸し暑く。
心地の良い風だ。

あ~。どうも。
こんにちは!
はい。これ。どうぞ!

風がそう言って。
手渡したのは葉書。
沼に住むカエルのKから。
届いたのものだ。

ある日のことだ。

Kが道に迷って。
田んぼの中に入り。
途方に暮れているところを。
Lが声をかけた。

その時のお礼の葉書だ。

田んぼから沼までの。
丁寧な地図とともに。
こう書いてある。

「いつぞやは。
 ありがとうございました。
 お陰で無事に家へ帰れました。
 さて。
 近頃は雨が続いて嬉しい限りです。
 お陰で散歩をするのに。
 いい季節になりました。
 ところで。
 よかったら明日にでも。
 こちらの沼へ遊びに来ませんか?
 美味しい水草ティーがあります。 
 カタツムリケーキもありますよ。
 いっしょに食べましょう!
 お待ちしております」

Kの気持ちは嬉しい。
けれど。
外の世界は怖いんじゃないかな?
Lは考える。

途中で鳥やネズミに。
出会うかもしれないぞ?
そしたら。
どこに隠れたらいい?
田んぼから出ないほうが安全だ。
そうに決まっている。

でも!カタツムリケーキが食べたいな!

翌日Lは。
片手に葉書を持って。
田んぼから出る。

雨に濡れた畦道。

黄色いタンポポ。
赤や青の紫陽花。
みんな宝石のように光っている。

用水路には。
たくさんのメダカがいて。
Lに向かって。
小さな手を振っている。

その上には。
緑色のイトトンボがいて。
ひと時も休まず。
前後左右に飛んでいる。

更に上を見上げると。
トンビがクルクル回って飛んでいて。
鋭い目で睨んでいる。

Lは思わず雑草の中に隠れる。

「やだな~。こわいな~。
 はやく行ってくれないかな~」

しばらくすると。
トンビは東の空に飛んで行き。
見えなくなる。

雑草から頭を出したLは。
ふ~っと。
大きな息を吐く。

胸のドキドキが止まらない。

大きく深呼吸をして。
気持ちを静め。
また沼に向かって歩き出す。

しばらく歩くと。
鮮やかな黄菖蒲の花が見える。
沼だ。急いで沼に駆け寄る。

蓮の葉の上にKがいる。

Lはザブンと水に入り。
蓮の葉まで泳ぐ。
水は温くて気持ちがいい。

「よく来たねぇ」

Kが笑顔で。
Lに手を差し伸べる。
蓮の葉に上がると。
ふわふわして。
まるで雲の上にいるようだ。

目の前に。
白いテーブルがある。

「どうぞどうぞ。腰かけて」

KはLにそう言うと。
カタツムリケーキを二つに切り。
小皿に取り分け。
葉っぱで作ったコップへ。
透明な緑色の水草ティーを注ぐ。

「これ。今朝作ったばかりなんですよ」

水草ティーで乾杯し。
カタツムリケーキに手を伸ばす。

甘い香りと。
トロッとした感触が。
舌に気持ち良い。

「美味しいねぇ」

Lが思わず。
顔をほころばせる。

Kも一口頬張って。
笑顔を返す。
「うん。美味しい!」

食べたり。
飲んだり。
話したり。

そうしているうちに。
これまであった田んぼ以外への不安や。
トンビを見た時の怖さが消えいく。

そう感じると。

水面で跳ねていた雨音が。
急に軽快なワルツのように。
聞こえ始めた。




綿の国星
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ラフィエル「まっ白で身も心も沈み込むような素敵な香りがする一面の綿の原。そこには目も覚めるような美しいお姫様がいて辿り着くとやさしく接吻してくれるんだとさ」

(須和野 )チビ猫「すごいじゃない!」


                         


                             大島弓子・綿の国星(animation版)




綿の国星・挿入歌~鳥は鳥に(作詞・大島弓子・谷山浩子)


アルクカメラ~しがみつく
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むかしね。ある人がこう言ったのよ。
「ヒトは何かに狂わなければ生きていけないんじゃないか?」と。

もちろんこの人の「狂わなければ」の真意は。
単純なものではありませんけれど。
それを「しがみつかなければ」と考えれば。なるほどね。とも思うわけですね。

たとえば1本の巨木が雄々しくたっている。
それは大地に根を降ろして。
しがみついていればこそ成り立つ構図なわけですね。

それでもね。
自分は浮き草のような人生にあこがれるわけです。
空を漂う雲にあこがれるわけです。
(ああ。あこがれとも違うかなぁ)

何故そう思うようになったのかというと。
自分は絵画創作を終えた45歳で人生が終ったと思っていて。
以降の生き方・visionをどうしても描けなかったわけです。

なので45歳以降は流れるに任せているんですよ。
いつ死んでもいいし。悔いがまったくない。
大きかった雲はやがて霧散霧消していきます。

それと同じと考えているんです。




前野曜子~別れの朝
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前野燿子はペドロ&カプリシャスの初代ボーカリスト。
二代目が現在ソロ活動の高橋真梨子。
彼女(高橋)が良い歌い手であるのは衆目の一致するところ。
(それについては全く異論なく比較すべきではない)

だがしかし。それでも前野燿子。

声・容姿・雰囲気ともに好きだったのだ。
彼女が突如グループを去った時。胸中かなり凹んだ。
たぶん恋心に似た想いがあったのだろう。

前野燿子が鬼籍に入ってずいぶん経つ。
ペドロ&カプリシャス。
自分にとっては前野燿子在りきで成り立っている。


前野曜子/別れの朝



びわ雑炊・補~おふくろの味・だご汁
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おふくろの味~だとか世間では言うんですが。
自分にはコレといったものがないんですよ。
母の作った料理すべてがおふくろの味なのね。

たとえそれが「チキンラーメン」だろうが「白菜漬け」だろうが。
とにかく何でもよくて。丸美屋ののりたま・桃屋の塩辛だって。
自分にはおふくろの味なわけですよ。

といいつも。母ならではの料理はありましてね。
熊本県・天草郡・鬼池村生まれの母は。
それを「だんご汁」ではなく「だご汁」と呼んでいました。

醤油味ベースで「メリケン粉のだんご」が入っていましてね。
鶏肉と牛蒡・人参などの根菜類が主に使ってありました。
多少の料理経験があれば容易に脳内で再現できる味ですね。

こちら山口県ではスーパーへ行けば。
「だんご汁」と銘打たれた「くまモン印」の商品が置いてあります。
ただし。だんごではなく麺タイプになっています。
(これは偽りではなくて麵タイプでもだんご汁と呼ぶのですw)

我が母は醬油ベースでしたが。
味噌ベースもあるんですよ。雑煮と同じですねw
あ。雑煮で思い出しました。

Mybest?雑煮がありましてね。

ベースは永谷園のお吸い物なんですけどねw
塩をふったクルマエビと輪切りした酢橘をアルミホイルでくるんで蒸し焼きにするんです。
それを焼き餅の入った吸い物に添えるんです(紅白の蒲鉾入り)

これが味はもちろん見た目も美しく忘れがたい雑煮になっております。
(クルマエビが懸賞で当たったので作ったんですよ)
おふくろの味ならぬ。オレの味ですね。アレはもう贅沢過ぎて再現できませんw

冒頭の写真はもちろんよそ様からの頂き物です。
たくさん画像があったのですけれど近いものがなくて。
かなり妥協しつつ例として掲載しております。

(だんごが平べったいのはアカンのですが。火の通りはいいでしょうw)