アルク~黄昏の中をあるく
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夕方7時になっても尚明るい外へ出る。
むっとした空気は内も外も変わらないが。
多少の風があるだけでも外の方がましだ。

見上げれば。

薄い雲に覆われた夕空に半月がかかり。
半月は青白く。
少しばかり膨らみ始めている。

遮断機のない踏切を渡り。
歩き慣れた畦から。
民家沿いへとぼちぼちと歩けば。

年輩の女性が垣根の傍に居て。
黒ずんだラズベリーの実を採取している。

ラズベリーは昔我が家にも植えていた。
事情があって伐採してしまったが。
あの甘酸っぱい味は今でも覚えている。

「ラズベリーですね^^」

と尋ねれば。
「はい。そうです^^」
とにこやかな笑顔が返って来る。

「ジャムにされるんですか?」
「そうですね。ジャムにもしますし。
 ジュースにもしますよ。
 かき氷にかけても美味しいです」

冷凍保存もできるそうで。
女性は饒舌に。
ラズベリーの活用法を教えてくれる。

味が懐かしくなって。
「ひとつ頂いていいですか?」
と厚かましく問えば。

「あ。どうぞどうぞ」
女性は白い盆に乗ったラズベリーを。
こちらに差し出す。

その中のひとつを摘まんで口にする。

甘酸っぱい味が口中に広がる。
苺のような。
小さなタネを噛むのも懐かしい。

「ありがとうございました^^」

そう言ってまた歩き出せば。
懐かしい酸っぱさとともに。
20代後半の自分が思い出される。

あの頃。

自分は「虚」と「実」の間を。
さ迷っていた。
自分のすべきことがわからないでいた。

生活はできていたけれど。
本当に生きている感じがしなかった。
はっきりとした自分の姿。
それが見えないでいたのだ。

生きているのに生きていない。

そのことに対する漠然とした不安は。
何年も続き。
はっきりとした形が見えるまで。
かなりの時間を要した。

(結局絵を描くこと。
 それをどう描くかで問題の大半は。
 解決したのだが)

そんな過ぎ去った時間を。
思い出しながら。
オレは口中に残っていたラズベリーの種を。
奥歯でガリっとすり潰す。
その感触だけの音。

坂道をてくてくとあがる。

坂道を上がり切る頃には。
青白かった半月は少し赤味を帯び始め。
東の空は明るさを失っていく。

やがて坂道をダラダラ下って行けば。
薄ぼんやりと。
我が家へと続く道が見えてくる。







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退治
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平安時代・俵藤太という人がいて。
大百足を退治したという・・
また戦国時代・岩見重太郎は。
狒々退治をしたという・・・

遥か昔より人間界に害を与える者は。
選ばれし強者・勇者に倒されてきた。
然るに!!!

何故ゴキブリは退治できないのか?

我が家にも季節がら。
やけに目に付くようになり。
ゴキブリ対策に。
乗りださなければならなくなった。

近所のドラッグストアに行き。
バルサンを買った。
その際に店員が言うには。

「ゴキブリって抵抗力が強化されるんですよ。
 だから同じ薬剤を何度も使うと。
 それに慣れた卵が生まれるんです。
 なのでいつまでもいたちごっこなんですよね。
 
「さすがに古代から滅びずに。
 生き延びているだけありますね・・@@」

「それと使用する際は。
 できるだけテープ張りなどして。
 外に煙が漏れないようにしてください。
 あ・それからパソコンも袋をかけるとかしないと。
 煙が中に入って故障することがありますよ」

「そうですか・・・・・^^;」

あ~だこ~だと面倒な事。
説明を聞いて。
なんだか退治する気力も萎えたが。
やらねばならない。

ゴキブリと一緒に楽しい暮らし~
と考える事も可能だが。
出来る事なら離れて暮らしたいw

で。バルサンを炊いた翌日。

さすがに今日は出ないだろう。
と思ったら。
色の艶艶した若々しいゴキブリが。
何食わぬ顔で現れる!!!!!

バルサン効かず・・・orz

というわけで。
再度のバルサン使用を諦め。
ゴキブリホイホイにした。
これであれば。
捕獲を確認できるし。
なんだか安心w

買ったのは。
ホイホイ2パック・10枚入り。

中に入り易くなるのだろうか?
ホイホイの出入り口に。
マットを貼るようになっている。
(ちょっと感激w)

ホイホイ開発者たちは。
寝ても覚めても。
日夜研究に余念がないのだろう。
でなければ。
マットを貼るなんて思いも付かない。

10枚組のうち。
5枚をまず仕組んでみた。
仕掛けて1週間め。
ようやく1匹捕獲した。

あの艶艶した若いゴキブリだ。
しかし敵の数は多い。
若い奴も色の濃い古参兵ももっといるはずだ。

夏は暑さとともに。
ゴキブリとの戦いでもある。
戦いはまだまだ続く。







アルク~初夏をあるく
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昼下がり軒下を見ると。
蜂の巣が出来ており。
5~6匹のアシナガバチが。
巣の上をウロウロしている。

ところが。
戦々恐々たる雰囲気。
さもありなん。
見ればでかいスズメバチが一匹。
アシナガバチの幼虫を。
腹の中に収めようとしているのだ。

白い幼虫は次第に細くなり。
黒い団子のようになって。
それから一滴の液体を落とし。
消えてしまった。

人間界もそうかもしれないが。
自然とは恐ろしい食い合いの世界だと。
改めて知る。

それを見届けて。
すっかり細くなって。
萎えてしまった足を田畑に向ける。

遮断機のない線路を渡れば。
横に水田が見える。
朝礼の生徒のように行儀よく。
ピンと垂直に立っている青い稲穂たち。

そこを過ぎれば。
広い溜池があって。
その中に蒲の穂が群れを作って。
「無人島」のように点在している
一番大きな「島」には。
樹木さえ生えている。

その周りを。
生まれたばかりの子亀など。
大小様々の亀が囲むようにして。
浮いたり沈んだりしている。
亀たちは「島」の住人でもあるようで。
甲羅干しをする亀もいる。

思えば小学生の時に。
「15少年漂流記」を読んだ。
大方の内容は忘れてしまったが。
読んだ当時は「無人島」に。
ずいぶん憧れたものだ。

でも考えてみれば。
不便この上ない世界のはずだのに。
何故あれほど憧れたのだろう?

白い砂浜・青い海。
どこまでも自由な時間~

そんなことを考えながら。
溜池を抜けると市道に出る。
民家の生垣に「時計草」の花。

以前はこの花は。
毒々しい感じがして。
嫌いだったが。
今はそうでもない。

時計草の花は。
濃紫のI字型のおしべが3本。
その下に緑黄色のT字型のめしべが
5本横に広がっている。
そして無数の細い細い花弁は。
中心から濃紫・白・薄紫と。
まるでどこかの国旗のようだ。
そして。
大きな薄緑の10枚のヘタが。
花を包みこむようにして開いている。

(ああ。
 花の説明は写真に限る。
 眩暈を起こしそうw)

花を見ながら傍を抜け。
再び水田のある方へ足を向ける。
遠くに白いほっ被りの婆さんが見える。

手前には畑があって。
大きな人の顔をしたような。
里芋の葉が揺れている。

遮断機のない線路を渡り。
我が家へ向かう。
蜂の巣は平穏を取り戻したろうか?







現存する私的最古の絵
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「七夕」以前の人の詩に付けたイラストです。
現存する最古のイラストです(写真のみですけどw)
A4・カラーインク








ゆり
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タンスから出て来た銅版画の1枚~ゆり
すごく黄ばんでいます^^;