冬休み
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ただ今冬眠中^^

傍に大きな図体の熊が寝ています。
その熊に押し潰されそうになりながら。
カエルがイビキを掻いて寝ています。

なんと勇気のあるカエルでしょうか。
でも目を開けた時。
カエルはどんな反応を見せるのでしょう?

「熊の下で寝ていたのか!@@;」
と驚愕するのでしょうか?
それとも。
「熊の奴。まだ寝てんのか?^^」
と平気な顔をして言うのでしょうか?

後者のカエルのように。
どんな境遇・環境にあろうとも。
平気で生きることが出来たら。
どんなにいいでしょう。

平気で生きられますように。

ただ今冬眠中^^)/





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お話~とうりゃんせ診療所(3-3)
とうりゃんせ診療所③

びん





「せんせい。またきました。
 ごめんなさ~い。
 これがおれちゃったんです」

診療室に。
髪が長くて目のくるりとした女の子が。
入って来ました。

「やあ。ヨウコちゃん。 
 まぁそこへ。おかけなさい。
 どれどれ。みせてごらん」

先生がヨウコちゃんから渡されたのは。
細い薄緑色の色鉛筆でした。
芯がぽきりと折れていました。

先生の前で。
うつむいていたヨウコちゃんが。
顔を挙げました。

「なんど。けずっても。
 しんがおれてしまうんです。
 わたしがうそをいったから?」

ヨウコちゃんは言葉を続けました。

「いもうとが。いけないんです。
 百てんとったのをじまんするから。
 くやしくって。
 うそをついたんです。
 わたしも百てんとったって。
 いったんです」

「それで。
 このえんぴつをつかって?」

「そうです。
 このえんぴつをつかって。
 こっそりかきなおしたんです。
 百てんに」

「そしたら。ぽきぽき。
 おれるようになったんだね?」

「はい」

「きみはね。
 いもうとさんじゃないんだよ。
 きみはきみなんだから・・・」

「はい。
 このまえもおなじことをいわれました。
 ごめんなさい。
 でもくやしくって・・・」

「がんばってうそをつくより。
 がんばってほんとうのことをいおうよ。 
 ウソの百てんより。
 ホントの0てんのほうがいいんだよ^^」

ヨウコちゃんは小さく頷きました。

「それじゃ。
 なおしてくるからね。
 まっていなさいね」

先生が部屋から出ていくと。
ヨウコちゃんは以前と部屋の様子が変っていないので。
安心したように辺りを眺めていました。

 ボーン ボーン ボーン

「ひゃっ!」

ヨウコちゃんは柱時計を睨みました。

「はじめてじゃないけど。
 このおとには。
 びっくりするなぁ」

「あははは。
 ごめんねぇ。
ヨウコちゃん」

先生がヨウコちゃんのそばに来て。
いたずらっ子のように舌を出しました。

「いろんなものをなおすのに。
 とけいはなおせないんですか?」

「いたいところを。
 つかれましたねぇ。
 おっしゃるとおりです。
 はいこれ。どうぞ」

「わぁ!うれしい!」

ヨウコちゃんに渡された緑色の鉛筆は。
きれいに芯がとがれて。
まるで新品のように光っていました。

「ヨウコちゃん。
 そのえんぴつは。
 うそをかくためのえんぴつじゃなくて。
 きみのみらいをかくための。
 えんぴつなんだからね」

「はい!もうぜったいにおりません!」

部屋から出て行くヨウコちゃんの顔は。
以前にもまして。
元気になっているようでした。

別のドアから。
受付窓口にいた看護師さんが入ってきました。
ちょっと顔を曇らせています。

「先生。前から気になっていたんですけどね」

「何でしょうか?」

「どうして何でも直せる先生が。
 あの柱時計は直せないんですか?」

ちょっと怒っているようでした。

「だって音がうるさくて。
 しょうがないんですもの!」

「ああ。あれですか。
 ヨウコちゃんにも。
 同じことを言われましたよ。
 ははは」

先生はスタスタと歩いて。
柱時計のそばに立ちました。
そして。
柱時計の振り子の部分にある扉を開き。
中から茶色のガラス壜を取り出しました。
壜の口にはスポイドが付いていました。

「これなんだと思います?」

「きゃっ!」

看護師さんが口を押さえて驚きました。
壜の中で気持ちの悪い灰色の綿のようなものが。
うねうねと動いているのです。

「これは黴菌なんですよ」

先生は壜を眺めながら話を続けました。

「嫌な想いをそのままにしておくと。
 心の中に黴菌が入って。
 住み着いてしまうんですよ。
 そして。普通なら長いはずの命が。
 短くなってしまうんです。
 でも黴菌はね。
 ほんとは弱虫なんです。
 すごく臆病なんです。
 だから。たとえば。
 ここにあるような柱時計の音で驚かせてやると。
 びっくりして心から出ていくんですよ。
 この壜は。そうして出てきた黴菌を全部。
 吸い込む仕掛けになっているのです」

「まぁ。それじゃ。
 その壜は黴菌用の掃除機?」

「ははは。そうそう。
 そういうものですね」

看護師さんは壜を眺めながら。
感心したように言いました。
でもやっぱり気味が悪そうでした。

「先生が治しているのは。
 ガラス玉とか消しゴムじゃなくて。
 人の心というわけですか?」

「そういうことです。
 ガラス玉や消しゴムや鉛筆は。
 新しいものにして返しているだけですよ。
 ぼくには直せないんです^^;
 でも黴菌を取り出したから。
 あの子達は元気に生きてくれるはずです」

「まぁ・・・」

「でも内緒ですよ。
 本当の事を知ったら。
 誰も柱時計の音に。
 驚かなくなりますからねぇ」 

先生は。
くすっと笑いました。

しばらくして。
とうりゃんせ診療所の玄関に。
札が掛けられました。

本日終了。

と書いてありました。




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この作品は12年前@@;に書いて。
2年前に当ブログにおいて掲載したものです。
再掲載するにあたって。
改めて見直し加筆しております。

12年前。時は過ぎて行きますね(涙

半年間でしたが。
お話ばかり書いていた時期があります。
かなり熱を入れて書いたのですが。
初心者の誰もがそうであるように大方は独善的で。
構成不足・アイディア不足・文章力不足の。
取るに足らないものばかりでした。

それでも心に残るものもあり。
この作品はその中のひとつです。
いつものように?結末は考えず無計画に話を進めて~
という書き方でしたから。
ラストにはエラク苦労した覚えがあります^^;

でも改めて見直すというのもいいもんです。
良い面もイイ加減な面も両方見えて。
「自分の歳月」を感じる事ができるからです。

拙文にお付き合いくださり。
ありがとうございました^^)/