古いメモ帖~waravino・Twitter novel④
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ほうき星・waravino


waravino・Twitter novel④。これらは2ヶ月前に書いたメモです。こういうものは思い付きだけで書いていますので、深い意味など元からないのですが、時間を経てみると、何かしら暗喩めいたふうにも感じます。因みにTwitterのほうは撤退したので、この手の話は、これが最後になるかと思います。お気楽にどうぞ^^ 





①訊問
満更、嘘ではないようだ。刑事は男の目を見て思った。確かに男の目は美しく澄んでいる。どちらかと言えば、疑うことを仕事にしている自分の方が酷く濁っているかもしれない。だが目が澄んでいるからと言って男の言う事がすべて正しいとは限らない。嘘でも疑う事なく固く信じれば美しい目になるものだ。



②終末
占い師・今、世界は終末に向かっています。備えを万全にしなさい。客・終末って何ですか?占い師・すべてが終わることです。客・それでは、備えをしてもしょうがないじゃないですか?占い師・そうではありません。備えというのは、心の準備のことです。世界は終わりますが、あなたは終わらないのです。



③鏡
鏡よ鏡、鏡さん。本当のことを教えてください。わたしの未来はどうなるんでしょう?鏡は何も答えない。尋ねた者の姿を映しているだけだ。質問者はそれでも諦めず、ひと月ばかり問い続けた。すると鏡は、とうとう根負けしたのか、溜まりかねたように呟いた。あんたの顔をよく見なさい。それが答えだよ。



④自問自答
この世に魔法はありません。たとえ魔法があったとしても、魔法は真実を持ちません。やがて消えてしまう淡雪のようなものです。それに囚われず、それを期待せず、現実だけを見ていなさい。現実に起こる事だけが真実を持っているのです。それを見続ける事こそ、あなたがこれからやるべき一生の仕事です。



⑤青い馬
白い馬と青い馬がいる。白い馬は背中に金の鞍を付け、若い女を乗せている。反して、青い馬は鞍を付けず、誰も乗せていない。白い馬が青い馬に対して言う。お前は背中が寂しくないのか?青い馬は、そんなことはない、と答える。元々馬に鞍は不要だし、人を乗せる事もしなくていいんだよ、と笑う。



⑥ナイフ
ボクサーあがりの男は、いつも懐にナイフを隠し持っている。いつの事だったか、闇夜で突然、見知らぬ連中に袋叩きにされ、自慢の拳が役に立たなかった。ボクサーがナイフを持つようになったらお終いだな。男は自嘲しながら、手に持ったナイフを見つめる。銀の刃に自分のぼやけた顔が映る。



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スケッチ~やさしい半月
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夜半。

外に出てみれば。
ひんやりした空気と。
澄んだ虫の音。

辺りの家の明かりは。
すべて消え。
アパート下の。
青白い自動販売機の明かりだけが。
寂しく点る。

雲間には。
赤味を帯びた半月が浮かび。
半月は少し膨らんで。
母親の笑顔のように。
やわらかく。
周囲を照らしている。

その半月の光を浴び。
小さな。
千切れ雲が流れる。

傍らの大きな雲から。
急ぎ足で。
離れて行くその様は。
父親に勘当され。
家を飛び出す放蕩息子のようだ。

鉄道沿いの細い道を歩けば。
外灯の下に。
鉄柵作りのゴミステーションがある。

昔の話。

星のきれいな夜に。
このゴミステーションの上に。
痩せた三匹の仔猫がいた。

仔猫たちの体は。
ぼんやりと。
銀色に光っており。

それは青白い外灯の。
明かりのせいで。
灰色が銀色に。
見えただけのことだったが。

警戒しながらも。
しなやかに動き廻る銀色の肢体は。
まるで幻を見るように。
美しかった。

そのことがあった或る朝。
我が家の玄関先に。
一匹の猫が死んでいた。

痩せた灰色の仔猫だった。

すぐに。
あの夜の猫だと察知したが。
寄りに寄って。
我が家の前で死ぬということに。
何かしら。
不思議な縁を感じた。

はたして仔猫は。
あの夜の目撃者が誰であるかを。
知っていたのだろうか?

今でも。
ゴミステーションの周りは。
ぼんやりと。
銀色に光っている。





アルク~夏の海
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午前6時30分。
昨日取り出したばかりの。
古い自転車に乗って。

海へ行く。

風はどこまでも涼やかで。
少しばかり波は荒いものの。
海の機嫌はいいようだ。

この海岸は以前。
岩礁ばかりだったのを。
年月をかけ取り除き。
新たに砂を運び入れた人工浜で。

上空から見おろせば。
鶴が飛行するような形をしており。
頭に充たる部分には。
展望台があって。
セメント造りの日時計が設置されている。

また両翼に充たる部分は。
弧を描いたような砂浜で。
それぞれ200mぐらい。
撫でるような。
穏やかな曲線が美しい。

砂浜沿いの舗道には。
花火の燃えカスが散乱し。
如何にも夏らしい光景だ。
(燃えカスは持って帰れと野暮は言うまい!@@;)

オレは自転車に乗って。
長さ70mばかりの。
海を切るように伸びる鶴の首の部分を渡る。

小さなフナ虫たちが。
不意の来訪者に慌てふためき。
右往左往しながら逃げて行く。

日時計のある場所に着く。

朝霧に霞んだ水平線上に。
九州・国東半島が横たわり。
その前に積み木のような大型船が。
ゆったりと浮かぶ。

日時計の下に自転車を置き。
サドルバックから煙草を取り出し。
紫煙をくゆらせる。

すると背後から。
一匹の赤いトンボが現れる。

トンボはスイスイと。
我が家にでも帰るかのように。
オリーブ色の海に向かって飛んで行き。
やがて海の色に溶け込んで見えなくなる。
(九州目指して飛んだ?@@;)

眼下の岩場には。
何処から流れて来たのだろうか?
赤い風船が岩の狭間に捕まり。
否応なく浮いている。
(九州から流れて来た?@@;)

砂浜沿いの舗道に戻り。
自転車を押しながら歩いて行く。

砂浜の隅を見ると。
釣り竿が二本並んで。
海へ向かって立っている。

後ろには。
竿の持ち主だろう若い夫婦が。
仲良く腰掛けていて。
小さな息子相手に遊んでいる。
(若い家族の微笑ましいこと!!)

その傍を。
茶色の小犬を連れた年配の男性が。
通り過ぎる。
小犬は若い親子に関心を示すが。
男性は構わず前に進む。
(ドラマに相応しくない大根役者のように!)

男性の進んだ方向には。
Tシャツ姿の子供たちがいて。
何があったのか。
盛んに嬌声を上げている。

オレはそれを見やりながら。
海岸の駐車場から。
市道沿いの舗道ヘ出る。

するとすぐに。
手作りパンの店を見つけ。
自転車から降りる。

こじんまりとした店内には。
赤いバンダナを巻いた二人の店員がいて。
明るい声と笑顔で迎えてくれる。

大きな窓ガラスの前に。
木製のテーブルが二台置かれ。
どうやら買ったものを。
店内で食べる事が出来るらしい。

コロッケパンをひとつ取り。
レジに渡すと。
「店内でお召し上がりですか?」
店員が尋ねる。

「はい^^」

オレは作り笑顔で応え(汗
テーブルに座る。
しばらくして。
トレイに乗ったコロッケパンと。
水の入ったコップが運ばれる。

「水・・・コーヒーは?@@;」

オレはその言葉を。
ぐっと飲み込み。
パンを齧って冷たい水を飲む。

コロッケパンは。
英国風の薄手の食パンに。
キャベツの千切りとコロッケを挟み。
縦半分に切ったもの。

コロッケは厚みがあって。
食べ応えはあるものの。
さして美味いと思わなかったのは。
コロッケの風味が弱いせい。
(作りたてならもう少し美味いはず)

ジャガイモの代わりに。
カボチャを使えばどうだろう?
カボチャの甘味は。
きっとこのパンに合うはずだ!

だがまぁ。
コロッケパン+水+場所代=130円。
文句は言うまい(汗

ありがとうございました!

~の声を背に受けて。
オレは再び自転車に跨り。
我が家を目指す。




夏休み
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サイダー少女・waravino


「1年の春1000年の冬」という思い付きだけのタイトルで、ブログを開始してから2年以上が経過しました。当初の考えからすれば、「お話・絵画・アルク・スケッチ」などなど、詰め合わせセットのような、こんなブログになるとは、思いも寄りませんでした。何故なら本ブログの骨子は、「びわ雑炊」にあるような一個人の、密かな思い出を語るだけの事でしたから(それは今でも変わっておらず、故に社会的な記事は殆ど載せていません)ここまで継続できたのは、ひとえに皆様のコメント・拍手・励まし等、あったればこそです。改めて、当ブログに関わってくださった皆様へ、感謝を申し上げます。ありがとうございました。

さてブログの件ですが、自己都合により暫くの間、夏休みに入りたいと思います。皆様どうかサイダー少女のように、元気で良い夏を過ごされてください!^^)/