びわ雑炊・Artversion・補~命・星・光
びわ雑炊・Artversion・補は。
①~⑩の補足として掲載します。




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クリスマスツリー・油彩F3

40代半ば。
まんが系の末期作品(未完)

クリスマスツリーは。
地球のように。
いろんな命の宿る木。

その命たちに幸あれと祈るのが。
クリスマスで。
ツリーの装飾は命の象徴だ。

というのが。
クリスマスツリーのwaravino的解釈。





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星集め・油彩F3


40代半ば。
まんが系の末期作品。

10年以上前だったかの。
ペルセウス座流星群は。
素晴らしい天体ショーだったと聞く。

あの夜。

大流星雨の可能性があると。
ラジオで聞き。
楽しみにして起きていた。
一睡もしなかった。

なのに見損なった。

パソコンに夢中で。
すっかり忘れていたのだ・・・orz

気づいたのが。
午前6時頃だったか。
これはしまったと思って。
外に出てみたら。

明るい東の空に「ほうき星」が走った。
まるで火柱のような。
それはそれは大きな流れ星だった。

まったく見なかったよりマシだが。

大流星雨を見るはずが。
一個だけと言うのは未だに口惜しい。





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光の輪・油彩F3


40代半ば。
まんが系の末期作品(未完)


肉体は預かっているだけのものであり。
自分のものでありながら自分のものではない。
いつかはお返しするものだ。










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思い出館徒然記~時計屋
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思い出館にプラスティック製の。
丸い壁掛け時計がある。

外周が銀色で盤面はクリーム色だ。
黒い針が9時を指したまま止まっている。
電池を入れるカ所が錆びついて。
新しい電池に入れ替えても動かない。

時計自体に価値があるわけでないから。
荒ゴミ行きでもおかしくないのだが。
捨てるにはちょっと惜しい。

というのも。

時計の盤面に。
ある映画館の名前が書いてあり。
落成記念という文字が入っているからだ。

名前の書かれてある映画館は。
思い出館のあるアーケードの近くにあった。
もちろん。他の映画館と同じで。
今は跡形もなく消えている。

従って。陳腐な作りとは言え。
市内における映画館の。
歴史的遺物のひとつには違いない。

手に入れようとしても手に入らない代物だ。
(そんな物好きはいないだろうがw)
そういう意味で。
捨てるには惜しいというわけだ。

その時計を修理することにした。

修理をお願いしたのは。
駅前にある商店街の小さな小さな時計店。

ガラス戸を引くと。
来客用の椅子が奥に向って二つばかり置かれ。
どちらにも客が座っている。

客の前にはガラスケースがあって。
それをカウンター代わりにして。
禿頭のご主人が眼鏡を修理されている。

客ふたりで満員だから。
中に入ろうにも入れない。

オレを見た手前の客が。
用は済んでいたのか。
ご主人に軽く挨拶をして出て行った。

修理をお願いすると。
ご主人は愛想よく。

「部品を交換しなきゃいけませんが。
 待っている間にすぐ直せますよ」

眼鏡の修理を終えて。
先客に渡すと。
時計の修理が始まった。

「これは古いですね~。
 40年ぐらい前のじゃないですかね?」

手際良く時計を解体していく。

店内にはジャズがかかっている。
それを楽しむかのように。
ご主人の手先がリズミカルに動く。

壁には古い柱時計や小さな時計が。
所狭しと掛けられている。

正面の壁には賞状が2枚掛けてあり。
そのうち1枚は。
どうやら市からの感謝状のよう。
開店以来50年よく頑張りました。
という内容。

さすがに。
50年動き続けた手の動きは無駄がなく。
どこか心地よい。

オレが店内を見回しているうちに。
ご主人は部品交換を終え。
後は丸いガラスをネジで締めるだけになった。

鼻歌でも唄うように。
クルクルとドライバーを回す。

ビシッ!!

は??@@;

「ガラスが割~れちゃった♪」

ご主人が唄うように言われる。

割れましたか・・・orz

ご主人は慌てず騒がず。
落着き払って。

「替えのガラスがありますから♪」

なんでもなかったように。
さり気なく。あくまでもさり気なく。
割れたガラスを取り外し。
奥から持ってきた替えのガラスを充てる。

合わない・・・・orz

オレも慌てず騒がず。
落着き払って。

「あ。また後から出直しますから。
 電話くださいね」

「そうですか^^ また電話しますね♪」

そうなのだ。
慌てず騒がず。落着き払うのだ。
ここは50年間。
このリズムでやってきたのだ。

ガラスが割れたぐらいで頭にきてはいけない。
一見さんのオレがとやかく言ってはいけない。

ご主人のリズムで。
50年やってきたリズムで。
直していただこう。

オレは頭を下げて。
小さな小さな時計屋を後にした。





絵の話~異国の森の魔女・潘麗星
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アーケード入り口のビルにある色褪せた看板
3m×4m(原画・潘麗星)




画家・潘麗星さんが。
故人になられて久しい。

潘麗星・マレーシア生まれ。
日本語読みで「ばん・れいせい」
中国語読みで「レイシー・パン」

思い出館のある寂れたアーケードは。
元々。戦後の闇市が行われていた所で。
市内で最も活気のある場所だった。

潘さんは。
そのアーケードの入り口の角で。
中華料理店を経営されていた。
始められた当時。市内には。
中華料理店がなかったこともあり。
かなり賑わった店だったらしい。
(現在は閉店している)

肥えておられたが。
印象としては。太っているというより。
体格のいいお婆さんという感じだった。
とても元気な方で。
中華系訛りの独特な日本語で。
快活に話しをされていた。

相好を崩すと。
愛嬌のあるやさしい顔になるが。
眼鏡を掛けた面構えの中に。
華僑として戦中戦後を。
必死で生き抜いて来た逞しさや。
凄み・したたかさが感じられた。

先日。旧知の画廊で。
潘さんの個展があった。

潘さんの作品は。
すべて墨で描かれている。
ただの墨ではない。

日本ではなく中国の墨で。
今では手に入らないと言われるほど。
高価な代物だったらしい。

その墨を使って。
写真にあるような想像の世界を描く。
太陽・月・星・魚・鳥・花・木。

そして狸?などの小動物。

それらをモチーフにし。
固定観念に縛られず。
自由自在にお話を描く。

たとえば。
手前に花が咲き。
画面の上に魚の群れが描かれた作品。

画廊主が言う。
「コレ見てみい。魚が空を飛んじょる」

オレが言う。
「水の中を普通に泳いじょるそいね~。
 そのつもりで描いちょるそ!」

「魚が空を飛んじょってもえ~じゃろが!」
「これは水の中の魚じゃから!」

あ~だこ~だ。
まぁw 
どちらでもいいのだ。

そのぐらい広く自由に。
見ることができる作品というわけだ。

独学で絵を始められた潘さんの。
初期のものがあった。

虎だとか犬だとか。
墨と顔彩で。
アッケラカンと描かれてある。

よく下手な絵を指して。
小学生が描いたようなという形容をするが。
まさにそれだ。

普通の大人であれば。
無意識の内に人の目を気にして。
上手く見せようとするものだが。

作品の中には不思議なぐらい。
そういう衒い・気取りがない。

「自分が自分であること」
「ありのままであること」

そこに潘さんの「画家」としての。
才能の鍵があったのかもしれない。

潘さんは若い頃。
東南アジアの各地を回って。
古美術を勉強されたと聞く。

だからそう思うのか。

作品中の花や動物たちの。
詠い踊り語り合う様に。
日本的な墨絵の印象はない。

妖精でも住んでいそうな。
アジアの異国の森で。
笑みを浮かべた魔女が。
密かに呪文を掛けながら。
作ったように思える。

その呪文を要約すれば。
「ワタシ楽しいね!」
の一言に尽きるかもしれない。

画家と冠を付けたが。彼女自身。
画家という意識は。
持っておられなかったように察する(推測)

そんな肩書きなど。
どうでもよく。自分の想いを。
自由に囚われず。あるがままに。
表現してこられたのだと思う。

画廊主から来年。
横浜の中華街で作品展をすると聞いた。
新たに見る人は。
どんな感想を持つだろう。




びわ雑炊・Artversion・補~にじみ・よごれ・ぐうぜん
びわ雑炊・Artversion・補は。
①~⑩の補足として掲載します。



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魚の骨~透明水彩・水彩色鉛筆・アルシュ紙
30cm×40cm



30代前半。
「らくがき系」の初期作品。

絵とは何か?線とは何か?を。
ない頭で考えながら描いた。

アルシュ紙というごわごわした厚手の紙に。
水彩絵の具を薄く塗り下地を作り。
まだ乾かないうちに水彩色鉛筆で線を入れた。

偶然に出来た滲みから発想を得ている。

こういう描き方をしたのは。
これが初めてであり。
そういう面で言えば。記念すべき作品?




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声を聞く人~透明水彩・水彩色鉛筆・キャンバスペーパー
35cm×54cm


この作品の線は。
表面にカッターナイフで傷を付け。
絵の具を染み込ませることで。
できたものだ。

上の作品と同様。
一発で仕上げた作品。

「声を聞く人」の「声」は。
音としての声ではなく内なる声。

「パウル・クレーの」
絵のようになっているのは。
クレーファンだからw

クレーの作品は。
ユーモアを感じさせるものが多い。
全体的に愛嬌がある感じ。

モーツァルトにもそういうところがある。
「魔笛」における鳥刺し男。
パパ~パパ~パパ~ゲ~ノ♪は極端だけれど。
そういう性質を持っている。

と。同時に。
同じぐらいの哀しみを抱えている。

モーツァルトにしても。
クレーにしても。
ユーモアと哀しみが。
同一の作品の中に混在している。
そう感じる。

楽しいと哀しい。
明と暗。
実は同根ではないか?



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土くれ~透明水彩・水彩色鉛筆・キャンバスペーパー
20cm×30cm



にじみや汚れは。
時として美しく感じる。

空気中に漂よう埃さえ。
光が当たれば。
キラキラ輝いて美しい。

美しいものは。
探さなくても至る所にあって。
それこそ。
ゴミ箱の中にだってあるものだ。



思い出館徒然記~凸凹兄弟
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思い出館では。
昭和30年代制作の東映時代劇(DVD)を。
月1回・月末に上映している。
入場無料。
(プロジェクター・手作りスクリーン使用w)

昭和30年代の東映時代劇は。
日本映画黄金時代の作品群で。
見れば。やはり面白い。

面白いんだが。

観客は至って少なく。
4~5人ほども。
集まればいいほうだ。

まぁ。無理もない。

映画の宣伝は館の前に貼った小さなポスターのみ。
それさえ人通りの少なさで。
人の目に触れる機会はほとんどない@@;

それに。映画館じゃないんだし。
100人来たら困るのはオレw
理想は10人前後ぐらいってところか?

先月末に上映したのは。
「月形龍之介・天下の副将軍~水戸黄門」
東映のオールスター共演の超豪華版。

個人的には。

かっかっかっ~の。
「東野英治郎」の「TV版・水戸黄門」
が好きなのだが。

月形黄門には。
東野黄門にない威厳というものがある。

威厳のない顔が多い昨今のこと。
これはこれで好ましい。

上映に際して。
珍しく計5名もの参加者があり。

そのうち隣市から。
男性2名が来られた(80歳前後?)
過日。館に貼ってある広告を見。
今日あることを知って。電車で来たとのこと。

上映は1時半から始めて。
3時で終わり。
月形龍之介はやはり威厳があった。

さて。

市内からの参加者は見終わってすぐに。
そそくさと帰られたが。

件の男性2名は帰る素振りを見せられず。
椅子に腰掛けたままで映画の話をされている。

年寄りの話を聞くのが仕事?のオレは。
お茶をサービスして。しばらく話のお付き合い。

お二人は兄弟とのことで。
ずんぐり体形の赤ら顔に眼鏡をかけたのが兄上。
その兄上を。
顔も含めて上下に引き伸ばしたのが弟さんで。
見事な凸凹コンビだ。

共に一人暮らしだが。
独居アパートの。
隣同士で仲良く住んでおられるとのこと。

「若い頃から。仲が良くてね。
 このトシになっても。
 いつも一緒なんですよ~」

兄上が笑顔で話される。

高齢になればなるほど。
兄弟の縁は次第に薄くなるものだが。
このお二人に関しては。
当てはまらないらしい。

口を開くのは。
もっぱら兄上で。

弟さんは余計な口を挟まず。
兄上の話をニコニコしながら。
聞いておられる。

けして自ら進んで話されず。
あくまで兄を立てつつ。
必要があれば付け足し・補足するといったふう。

やがて話題が「愛染かつら」になる。

「田中絹代が歌う場面があるんですけどね~。
 あれはミスコロムビアの吹き替えだったんですが。
 当時のファンは田中絹代が唄っているものと勘違いしましてね。
 いくら田中絹代が唄っているのではないと説明しても。
 けして譲らなかったそうですよw あの歌声はいいですねぇ」

せっかく遠方から来られたし。
なんだか気持ちのいいご兄弟。

ならば。
田中絹代の唄う場面だけでもお見せしよう。
という気になり。

急遽「愛染かつら・総集編」上映w

「こりゃぁ嬉しい!
 じゃ。ちょっとだけ」

ところが。お二人とも。
田中絹代の唄う場面が終わっても。
席を立とうとされない(汗

この場面は。どうだとか。ああだとか。
熱心極まりない。
ぐんぐん映画にのめり込まれている。

止めれない空気が二人の周辺に漂う・・・orz

結果ずるずると。
上映することになり。

それまで立ったり座ったりしていたオレは。
ついに諦めて。
お二人の傍で映画を見ることにした。

クライマックスの。
看護婦姿の田中絹代の歌声は素晴らしく。
(声は。あくまでミスコロンビア)
それに涙しつつ。
「愛染かつら」は幕となり。

三人大拍手の内に終わった。

後方の柱時計を見れば。
針は5時前を指し。外はなんとなく。
ほの暗くなっている・・・orz

「あの~。これを取っておいてください!嬉しかったです」

兄上が弟さんと目で合図して。
オレに千円札を渡される。

困ります@@;
それは受け取れません。
お気持ちだけでけっこうですよ。
あははは^^

なんて言うのは野暮であり。
それは公務員に。
任せておけばいいわけでありあり。

「次回。お菓子でも買う足しにしましょう。
 お預かりします!」

などと言って。頭を下げる。

お二人が帰られる際。
オレは満面の笑みを浮かべ。
二人の背中を見送った。

それは本当に久方振りの。

心からの笑顔だった気がするが。
もちろん。もちろん。
金品から来た笑顔でなく。

高齢に至るまで仲の良いご兄弟を羨ましく思い。
映画を通して気持ちのいい時間を。
過ごさせてもらったからなのは言うまでもない。