スケッチ~秋風景・朝
黄色



雨降り後の。
けして明るいとは言えない朝。
冷たい風が吹いている。

滴の垂れるクルマに乗り込み。
通勤開始。
発車後まもなく。

げっ!

セイタカアワダチソウが。
我が家の壁に沿って。
3本ばかり生えている@@;

背丈は伸びていないものの。
山吹色の三角頭は一人前。

ただの雑草は気にならないが。
セイタカアワダチソウだけは。

どうもいけない。

ひょろ長い背丈が。
ゆらゆら風に揺れるさまは。
踊る骸骨に見えて不気味。

クルマを走らせる。

踏み切りを越え。
細い道をゆるゆる辿りながら。
周囲を見渡せば。

線路向こうの空き地には。
我が世を謳歌していたカンナの群生に代わり。
勢力を増したセイタカアワダチソウの群れ。

(ああ。ここも勢力範囲!)

彼らは黄と緑の鎧を着込み。
戦に明け暮れる猛々しい武士たちのようであり。
片隅に咲く紅白のコスモスは。
追い詰められて。
わなわな震える弱小国の姫君ように見える。

刹那の妄想。

細い道を抜ける。

黄色味を帯びた銀杏並木を過ぎ。
右左右左と規則正しく曲がって行けば。
国道へ突き当たる市道に入る。

ここから加速。

左前方歩道から自転車。
見知った顔だ。

風で飛びそうな帽子を押さえ。
喘ぐような表情は。
スーパースピード・レジ打ちおばさん。

年齢別レジ打ち世界選手権が。
当地にて行われれば。
必ずや上位入賞間違いない。

その手練の早技が甦る。

く~~!そんなこと。
わたしゃ知らんわ~
それよりこの風なんとかしてちょうだい!

おばさんは尻を浮かせて。
喚くように。
ペダルを踏んでいる。

そうですね~@@;

前方注意・急カーブあり。
ブレーキを踏んで緩く左に曲がれば。
後は一直線で国道190号。

左に休耕田。右に川。

左右の違いはあれど。
所狭しと。
セイタカアワダチソウが乱れ咲く。

頭の茶色くなった老兵。
生まれて日の浅い美々しい若武者。
八方破れに咲く歌舞伎者。
他。出演者多数(エキストラ含む)

国道手前信号は赤。
待つ間に空を眺めれば。

おお!鳥の群れ!

空中に曖昧な図形を描き。
時にそれさえ。
乱しながら飛んでいる。

それでも。
目指す方角はすべて南。
渡り鳥が行く。

どなたか望遠鏡を・・
望遠鏡をお持ちではありませんか?

ないです。
下駄箱の上に置いてあります。

ああ。いつだってお前はこうだ!
大事な時にヘマばかりだ!
いつだって!いつだって!逃がした魚は大きい!

チチチ

舌打ちをしたところで。
信号が青になり。
サイドブレーキを外して国道へ入る。





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思い出館徒然記~チェロと黒板と銀河鉄道の夜
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思い出館には。
小さな木造作りの教室があり。
グランドピアノ・黒板・机と椅子が二組置いてある。

その中でも暗緑色の黒板は。
新規に作ったもので。

ここに来た当初。
遠慮がちに黒板消しを使った跡がある他は。
ほぼまっさらの状態だった。

書いちゃまずいのか?@@;

と。思ったが。黒板である以上。
そういうことはない。

ないのだが。

新しいノートに書き込む時。
誰でも多少のためらいがあるように。
まっさらの黒板にチョークの跡を付けるのは。
けっこう勇気がいるものだ。

しかも。あえて書くこともないし~w
で。そのままの状態で置いていた。

ところが。
入って3ヶ月目だったか。
急に何かを書きたいと思うようになった。

木造の教室に合うような。
国語の時間に書かれるような。
書いて雰囲気があるような。

何かそんな文章を書きたいと思った。

「銀河鉄道の夜」が浮かんだ。

白いチョークを持って。
右から縦に書いたのは。
物語の最初からではなく。

「六・銀河ステーション」

章の冒頭から始めて。
黒板の端から端までを使い。
書けるだけ書いた。



そしてジョバンニはすぐうしろの天気輪の柱が
いつかぼんやりした三角標の形になって、
しばらく蛍(ほたる)のように、
ぺかぺか消えたりともったりしているのを見ました。
それはだんだんはっきりして、
とうとうりんとうごかないようになり、
濃(こ)い鋼青(こうせい)のそらの野原にたちました。
いま新らしく灼(や)いたばかりの青い鋼(はがね)の板のような、
そらの野原に、まっすぐにすきっと立ったのです。




ちょうどこれだけ収まった。

ジョバンニは。この文章のすぐ後に。
銀河鉄道に乗り込んでいるから。
この部分は。いわば実の世界から虚の世界へ。
移行する箇所だ。

書いてすぐに。

黒板を見た近しい人から。
「何故。この部分を書いたのか?」
と尋ねられた。

実はこの文章。オレの頭の中で。
はっきりとした「絵」になってくれない困った箇所なのだ。
未だに。具体的なmageがすっきり浮かばない。

だからこそ。気になっていたのは確かで。
書くならここだとは思っていたが。
そういう気持ちというのは。人にひどく説明し辛い。

「なんででしょうね?」とか。
「好きだから」とか。
有耶無耶に言うしかなかった。

二週間ほどたったある日。

思い出館で女性声楽家による歌の会があり。
近辺の方を集めて行われた。

当初は。歌だけの予定だったのだが。
思いもよらず。
チェロ奏者を伴ってやって来られた。

チェロ?!@@;

チェロと言えば。
「セロ弾きのゴーシュ」は言わずもがな。
賢治が愛してやまなかった楽器だ。

そのチェロが黒板の前で弾かれるのだ。

書いた本人からすれば。
賢治の文章と。
チェロのコラボレーションのように思える。
嬉々としたのは言うまでもない。
(こういう企画のほうが好き・チェロと朗読の夕べw)

女性の歌声は暖かであり。
心を癒す何かを持つ声だった。
参加者の中には涙する人もいた。

しかし。

声楽家には申し訳ないが。
終始オレを捉えていたのは。
チェロ奏者と黒板であり。
視覚と聴覚は絶えず。
チェロと黒板の間を往来していた@@;

見方によっては。

「みんなで歌を楽しむイベント」
      VS
「銀河鉄道とチェロの夕べ」

このふたつが。
同時進行で行われていたことになるのだが。
果たして。
誰かこのことに気付いていただろうか?w

現在。黒板の文章は消している。
多少は増えた月間の予定を書いている。
黒板に書いておけば。
誰でもひと目で月の予定がわかるし。

こんなオレでも多少仕事をしてますよ^^
って見えるからだw
ああ。
つまらないったらありゃしない。

またいつか。
機会があれば文章を書こう。
その時。
誰の何を書こうか?

どっどど どどうど どどうど どどう?





びわ雑炊・Artversion⑩~きえてゆくかたち・きえてゆくおもい
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笛吹き・油彩SM

マンガ系末期作品。

昔。ある人から。
「ピエロ」は描かないのか?
と言われた。

今でもそうだが。
ピエロの定形化した姿形・役割が。
好きになれない(偏見・偏屈)

「描きません」と答えた。

それでも。その後。こっそりと。
描けるかどうか試してみたのは。
生来のおっちょこちょいが原因か?

何度か描いたが。
まともに出来たのはこれぐらい。
やはり苦手で終わったw



これより下4点は。
いずれも未完成で終えたもの。
これ以上。追えない。
追う気持ちがないという最終段階の作品。



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雪の降る夜・油彩F8

使用した絵具は3色ぐらい。
「雪の降る夜」は蛍のimageもある。
重なり合う少年達の。
形のおもしろさを描いた。

少年達は空を見上げているが。
期待・希望というより。儚さのようなimage。




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天のパン・油彩F3

天のパン。
もう少し大人びた少女で。
仕上げた作品がある。

それは知人に譲った。
納得のいく出来だった。

気に入った作品は。
もう一度描くのが常で。
同じように描こうと思ったが。
仕上げるまでに至らなかった。
熱意の問題。

「天のパン」という題名は。
旧約聖書をご存知の方なら。
なんとなくimageできるかと思う。




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泥棒猫・油彩F8

このimageは長く持っていたimageだ。
おそらく20年は追っている。
何度も描いたが仕上がった作品はない。

1枚の作品を6~7年ぐらい。
追ったことがある。
それでも仕上げられなかった。

原因は。画力不足とimageの貧困。

なにしろ最初のimageが。
魚の骨を咥えて逃げる猫だ。
猫は少年として描いているにしても。

あまりにも「救い」が無さ過ぎる。

「泥棒猫」は思うよう運ばなかったが。
オレがほんとうに描きたかったのは。
「りんご泥棒」のようなものだったのかもしれない。

魚の骨よりりんご。
そのほうが余程。
救いがあるというものだ。





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タイトルなし・油彩F8

長年続いたマンガ系は。
絵を描く行為と共に。
いつの間にか終了した。
最後にマンガ系のみになったのは。
なんだかんだ言いながら。
根っこにマンガがあったからだろう。




思い出話を題材にしたカテゴリー
「びわ雑炊」
その絵画版である「びわ雑炊・Artversion①~⑩」
これで終了です。見ていただいた方。
改めてお礼を言います。

ありがとうございます!

とりあえず。
今まで描いた主だったものは。
ネット上にあげることができました。
(保存も目的のひとつ)

個人的にも。
もっと早く掲載したかったのですが。

古いパソコン(12年もの)では。
(最後の一滴まで搾るような使い方w)
デジカメを買う気にならなかったのです。

そのパソコンが壊れたのが今夏の7月。
ようやく呪縛から解放。
晴れてデジカメ購入となった次第です。

真面目な絵描きさんなら。
20年以上の歳月があれば。
もっとましな作品。
多くの作品が描けただろうと思います。

如何せん。オレの場合。
ない頭で。
あれこれ考えることが多く。
年月の割に。
たいした数を描けませんでした。

描かなくなった理由は。
心が遊ばなくなったこと。
必然性がなくなったこと。

この二つが大きな理由です。

人は。その人なりの。
事情があって。
考え・行動し・生きているわけですから。
これもまた仕方のないことだったのでしょう。

まとまった作品の掲載は。
これで終了しますが。
またそのうち。落ち穂拾いのつもりで。
時々。upしますので。
よろしくお願いします^^


ということで。
本来の。
文章系ブログへ戻ります。




びわ雑炊~「絵・童話・そして」


びわ雑炊・Artversio⑨~あそぶこころ・あそばないこころ
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さくら・油彩F10

春。満開の桜の下で。
黒い腕抜き・頬被りをしたおばさんが。
昼食を摂っていた。

町内の草抜きではなく。
仕事の様子。
その姿がいいな。と思った。

形が決まらず。
厚塗りになってしまい。
ある意味。
重厚な作品となっているw


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寝相・油彩F4

園児や小学生は。
まるで幽体離脱したかのように。
自分の姿・形・行動を。
他人が見ているように描く(場合が多い)

小学生のある時。
風邪を引いたかで。
遠足に行けなかったことがある。

図工の時間になって。
遠足の思い出を描くことになった。
でも。行けなかったオレには。
描きようがない。

で。

先生の指示で。
家の中の様子を描くことになった。
と言っても。
病気・布団の中。
何を描いていいのやら?@@;

小学生の頭では。
工夫仕様がない。

仕方がないから。
布団に寝ている自分の姿を。
真上から描いた。

まさに幽体離脱w



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赤い魚・油彩F30

赤には豊穣というimageがある。
今でも。
赤い色は大好きな色だ。
オメデタイというか。
この色があるだけで。
視覚的に幸せだw

その赤い魚を大きな皿にのせ。
誰かを待っている。
待っているのは人か?神か?

オレとしては珍しく。
顔だけを。
らくがき系にした作品。

残念ながら中央部分に亀裂。
塗りの失敗。
いつか手直しをしよう(いつ?




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黒い鳥・油彩F30

意外と苦労した作品。
元々。わら半紙の「らくがき」から。
描き起こした作品で。
そんなに苦労するとは思わなかった。

小さなものを大きくするだけでは。
作品になりませんよ・大きな間違いですよ。
という見本。

もうちょっと。
エラソ~な・毅然とした王様のような。
孤高の鳥に描こうと思ったが。
小市民の小心者に。
描けるわけがなかった。

オレの成長が。
今後大いに期待されるところだが。
無い袖は振れないw




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母子像・油彩F30

まぁ。今時。
こんな服装をした赤ん坊は。
いないだろうが。
形の上で。
どうしても必要だったのだw

こんなふうに。
母に抱かれた記憶はない。

よく覚えているのは。
雪の降る日に背負われて。
病院へ行ったこと。

たいそうな雪で。

小学生だったにしても。
すでに体が大きくなり始めていただろうから。
さぞかし母も重かったことだろう。






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父子像・油彩M30

これもまた。
古臭い服を着た赤ん坊。
形の上で必要だったw

かつて「背負う」という副題を。
付けていたが。
どこにも出品していないので無意味だったw
夕陽を浴びながら。
家路につく父と背負われた子。




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ばら・油彩F3

対象は見ていない。
あくまでも。
オレの持っていた「ばらのimage」
実際はもう少し穏やかな色彩。




掲載した作品は。
40代に入ってからのもの。
わら半紙から始まった「らくがき系」の。
辿り着いたところだ。

この頃から。
絵を描いている際に。
心が遊ばなくなった。
遊びたくても遊べない。
何かが違う。
そんな状態に陥った。

それにしても。
低い到着点だ。
K点を超えを目指したが。
う~む。
目標遥か手前で尻餅転倒。
憐れ健闘及ばず。
南無ってところか?w




びわ雑炊・Artversion⑧~コラージュ系
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死神(部分)・20cm×50cm 




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手紙(部分)・80cm×30cm



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image(部分)・20cm×15cm



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足跡(部分)・50cm×60cm



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時(部分)・80cm×40cm




「死神」・タバコと箱だけを使って制作。
「手紙」・漢詩からの引用(蘇武)
「image」・ジョン・レノンw
「足跡」・赤いのはテントウムシ(粘土w)
(びわ雑炊・足跡の詩からのimage)
「時」・樹脂に死んだスズメバチを封入。



これらのコラージュ系は。
マンガ系・らくがき系・写実系と共に制作していた。
制作年数としては5~6年と短期。
短期に終わったのは。作り過ぎて。
置き場所・制作場所が手狭になったためだ。

大きな作品が主なので。
自宅での撮影が困難。部分のみをUP。
額装済みの作品などは光が反射し。
ほとんど撮影できなかった。

前期は。しゃれっ気と。
趣味的・絵画的要素が強い。

後期は。次第に抽象的な形態になっていく。
線になっている部分は。
ひも状にした石遡粘土を貼り付けている。




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命の木(部分)・80cm×60cm




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星座(部分)・1m×1m




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夕暮れ(部分)・1m×80cm




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虹(部分)・1m×1m




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墓標(部分)・1m×80cm




「命の木」・クリスマスツリーのイメージ。
「星座」・針金で作ったホウキが作者の好みw
「夕暮れ」・どうしても自転車を貼り付けたかったw
「虹」・黒っぽい横線は英語版聖書を切り取って貼り付けたもの。
「墓標」・地下に眠るものたちのイメージ。