スケッチ~知らない小径
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厚手のジャンバーを。
着込んでいるにしても。

一歩出れば。

外気温の低さは。
相変わらずで。

思わず。
Neck・Warmerで口元を覆い。
肩をすぼませる。

家の前の。細い道には。
ひとつだけ。
脇へ抜ける道があり。

オレは。まだ。
その小径の先を知らないでいる。

オレの足は。左に折れて。
小径に入る。

入り口には。温州蜜柑が。
案内図のように。植えてあり。

その蜜柑の木の持ち主は。
さして広くもない庭に。
様々な樹木を植え。
森林のような演出を施している。

家の二階には。
広いデッキが突き出ており。
背の高い樹木が。それを覆って。
トムソーヤの隠れ家のよう。

オレの足は。知らない小径を。
さも。昔から知っているように。
躊躇なく進む。

葉っぱの繁る大根畑を通り過ぎ。
八朔の木の下を通る。
その実はまだ青い。

庭師が仕事を終え。
帰り仕度をしている。
それを横目で眺めながら。
オレは。道を左に折れる。


突然。停止。行き止まり。


目の前には。民家があり。
それ以上は進めない。

オレの足は。
仕方なく元来た道を戻る。

遠く。広い畑に人がいる。
ジャンパーを着た女性がいる。
黄色のジャンバーの内側は赤く。
赤は。畑の土に。よく映える。

彼女は畑を耕している。
オレに気づいた彼女は。
白い歯を見せ。
含羞のある笑顔で頭をさげる。

知った顔ではない。

オレも。少し頭をさげる。
ついでに肩をすぼめ。
帽子のつばに手をやり。
目深に被って。その場を去る。


世間の挨拶。


元来た道を行けば。
頭に手拭を被った婆さんが。
先ほどの庭師と。
庭仕事で出た木切れをシートに包み。
二人で引きずりながら運んでいる。

二人はオレと。
すれ違いながら。
にこやかに頭をさげる。
オレは。またもや。
知らない顔に頭をさげる。


世間の挨拶。


わずかに歩いた知らない小径も。
「小径」のほうで。オレを知っており。
オレは。世間にいることを知る。

オレの足は。しばらく進み。
蜜柑の木を後にして。
見知った我が家に辿り着く。






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スケッチ~Calendar
Calendar.jpg


染みのある壁には。
月捲りのCalendaがある。

画鋲で押さえられ。
少し斜めになって。
掛かっている。

Calendarの表示は。
「長月」のままだ。

升目に仕切られた1~30の。
数字の下には。

便利なメモ書き用の。
空欄があるが。

この家の主のように。
予定と計画のない人間にとって。

その利便性は。
まったく無用の長物で。

メモ書きどころか。
月毎に捲っていくはずが。

何時の間にか。
月日を忘れてしまい。

こんなふうに。

2ヶ月前の「長月」が。
白けた顔で。いたりする。

タイやヒラメの。
舞踊りを見る如く。

「世間」と。
「夢想」の間を駆け巡り。

家の主は。
「時」を見ることを忘れている。

だから「長月」は。
「長月」後を知らないで。

置き去りにされたまま。
ウラシマタロウとなっている。

「長月」の見た夢は。
なんだった?

答えは。
返って来ない。

1~30までの数字の間に。
見た夢は。

どこにも表示されず。

あたかも。
白い煙のように。

空欄のまま。
黙っている。

それはもう。
誰も知らず。わからず。

すべてのことは。
ゆめになる。







びわ雑炊~祝島風景
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祝島


祝島は。周防灘にある小さな島だ。
以前から。原発問題に揺れているから。
ご存知の方も多いかもしれない。

写真家・土門拳は。この島の写真集を作り。
画家・松田正平は。生涯のモチーフとした。

一度きりの。祝島への旅は。10年ほど前のことか。
オレが。行く切っ掛けになったのは。やはり。
故・松田正平の作品と言葉に惹かれたからだった。

「祝島の空気は。ぬめりとしている。
あの。ぬめりとした空気を描きたいと思い。何度も訪れた」

一泊するつもりだったので。
訪れる前に。ネットで民宿を探した。
島には。民宿が3軒ほどあったが。

松田正平と懇意の。画廊主Kiさんから。
「あそこの民宿はいいぞ!行くならあそこへ行け」と勧められていた民宿は。
主が健康を害されているということで。予約することができなかった。

実は。是非とも。そこへ行きたかったのだが・・・・・・・。

刺身が「たぁんとついた食事」で。なんて聞かされていたし。
あの松田正平が。常宿にしていたところでもあったから。

それに。そこの民宿の「お母さん」がなんとも素敵な人だと。
聞かされていたからだ。

結局。予約できたのは。否応なく別の民宿で。それも。
電話応対が。どうも。ちゃんとしてない・・・嫌な予感のする民宿だった^^;

祝島周辺の海は。透明で美しい。
その民宿は。船から降りて。すぐ近くに見えた。

釣り人が。よく利用するそうで。メガネをかけた中年の女性に。
オレは。二階の部屋へ案内された。

窓から見る周囲の景色は。
松田正平の描いた風景と違っていた。

もちろん。それは当然のことで。
あくまで作品は。松田正平のImageの世界だ。
本人のフィルターを通して見た世界だから。違っていて当然だ。

それでも。昔ながらの。石垣でできた小さな港は。
透明な海とともに。オレには美しかった。

オレは。昼の間。島の探索をして廻った。
平らなところなんて。島の周囲の道路を除けば。これっぽちもない。
後は。すべて斜面ばかりだ。

古い家の周りには。石垣が組まれていて。
それは。台風に備えるために作られたものらしい。
同じようなものは。沖縄にもあったと思う。

夕方になり。オレは。民宿に帰った。
古い洗濯機の置いてある小さな浴室を利用した後。
キッチン?で夕食を摂った。

さよりの刺身少々。さよりのみそ汁少々。漬物少々。あ?う~~ん^^;

祝島の民宿には。「刺身がたぁんとあって・・・」というImageが。
オレの脳内では。すっかり定着していたので。
これには。「少々」がっかりした(笑

海は綺麗だし。魚が「たぁんと」いそうなものだが。
この日に限って。不漁だったのか・・・・・^^;

その夜のこと。
寝ようと思ったが。嫌な「臭い」が漂って眠れない。
そのうち頭が痛くなってきた。犯人は。

トイレの芳香剤。

芳香剤の臭いが。強烈に襲ってくるのだ。
なにせ。オレの部屋は。トイレのすぐそばであり・・・^^;

オレは。臭いに対し極端に弱い人間で。
昔。沢庵の臭いで頭が痛くなったことがある。

我慢ならなくなったオレは。廊下の窓を開け。
トイレへ行き。芳香剤の蓋を。しっかり閉めた。

そうすると。芳香剤の臭いは消えたが。今度は便臭が漂う(笑
でもまぁ。芳香剤の臭いよりは。ましだったが。

やはり。あの電話で感じた嫌な予感は。
当たっていたようで・・・・・・・・^^;

ともかく。これでようやく安心して眠れると思ったら。
どういう訳か。下から。民宿の誰かがやって来て。
廊下の窓を閉め。トイレに入った。

その人は。すぐに下に降りて行ったが。
降りて行ったと同時に。なんと。また。
あの臭いが漂ってくるではないか・・・・・・orz

くそう。芳香剤の蓋を開けて。逃げやがった・・・・T-T

オレは。また仕方なく。芳香剤の蓋を閉めに。
トイレへ行ったという・・・・・・なんとも情けない話で。

こういう五感に関する想い出は。なかなか忘れるものではない^^;
松田正平の描いた「美しい祝島」で。まさか。こんな目に会うとは。思いもしなかった(笑

祝島をモチーフにして。作品を残した松田正平とは。えらい違いだが。
祝島と言えば。すぐにこれを思い出す。
オレなんて。こんな想い出を残すぐらいが関の山だ^^;

さて。祝島は枇杷が。美味しいことで有名だ。
オレの「びわ雑炊~」に似たネーミングで。
「びわ羊羹」と名付けられた羊羹もある。帰り際に買って帰ったが。
びわの風味がして。とても美味しい。

たぶん。もう行くこともないだろう祝島の想い出を。
「びわ雑炊~」として。ちょっと書いてみた。








即席ラーメン
無題
はらぺこあおむし


ここ半年ほど。
食事制限をしている。そんな中。

久し振りにラーメンを食った。
・・・・と言っても。即席ラーメン^^
7-11で1袋(5個入り)298円^^

7-11企画ではあるが。一応。表示には。
みそラーメン。小さなロゴで「サッポロ一番」とある。
あの「サッポロ一番」みそラーメンと同じもの?

味や食感は。季節によって。年代によっても。
違うように感じるものなので。なんとも言えないが。

「ほんもの」の「サッポロ一番みそラーメン」と比べると。
麺の腰が弱く。味が薄いような気がするが。どうだろう。

「一緒のものですよ」と業者から言われたら。
はい。そうですか^^; ・・・と謝るしかないが。

そんな気がするのは。
袋のデザインが。本家と違うからかもしれない。
こちらは。なんとなく押しの弱い遠慮勝ちなデザインで。

もし。「サッポロ一番」というブランドがなければ。
買わなかったかもしれないぐらいに印象が薄い。

でも。まぁ。そんなことは。どうでもいい。
とりあえず。美味いから^^;

昔から。即席ラーメンは好きだ。
よく食ったのは。棒ラーメン。
1袋に2食ぶんを。ソーメンのように括ってあるアレだ。
これにコショウをたっぷりかけて。
白いご飯と一緒に食うのが好きだった(炭水化物マニア

チキンラーメン。出前一丁。カップヌードルも好きだ。
チャルメラは好きだけど。「おじさんの絵」が切なくて買わないT-T

半年前に。「熊ラーメン」というものを食ってみたが。
1袋200円(ドン・キホーテ)だったかな?
図抜けてうまかった。食事制限をしているのに。
危くリピーターになるところだった^^;

有名なラーメン店も即席ラーメンを出している。
例えば「すみれ」だとか「山頭火」など。でも。
アレには。あまり興味がない。オレの中では。
どう考えても。あれはラーメンであって。
即席ラーメンではないからだ(独断偏見

とんこつ。しょうゆ。みそ味。それぞれに美味い。
この3種類から無理矢理選ぶとすると。
オレは。やはり。みそ味になるか^^

オレは。ラーメンに。生卵を入れて食うのが。
好きなのだが。それに合うのは。
なんと言っても。「サッポロ一番」みそラーメンで^^

やはり。みそ味は。
どんな食材にも合う永遠の味だ^^

即席ラーメンには。即席ラーメンでなければ。
味わえない美味さがある。
これは。お店のラーメンでは味わえない美味さだ(独断偏見

即席ラーメンだけを。
食わせる屋台があるそうだが。
即席ラーメンに。食品として確たる地位が。
あるからこそ成立したのだろうと思う。

チキンラーメンから始った即席ラーメンも。
例に漏れず。競争社会にあるわけで。
結局は。美味くなければ生き残れない。
美味くないものは。どんどん消えて行く。

淘汰されたその上で。
現在の即席ラーメンがあるわけであり。
美味いのも当然のことだ。

だらだらと。即席ラーメンのことを書いた。
戸棚を見たら。もう5袋全部。食ってしまっている^^;
しばらく。即席ラーメンともお別れだ。

なにせ。食事制限しているもので・・・・(笑






スケッチ~月のない夜に
おもちゃ3



午前3時の街を見れば。

月のない空は。
いくらかの星を残し。

薄い雲に。
表面を覆われ。

1時間前には。
見えていたはずの。

オリオン座も姿を消した。
空は昏い。

変らないのは・・・・

点滅を繰り返す信号機と。
小さな公園の外灯。

そして。
ガソリンスタンドの灯り。

その大きな光源は。
夜の街の。
主人公の如くに振る舞う。

月。星。の代わりとなって。
辺りを照らす。

目の前の。
ステンレス製の物干し竿を。
滑るように光らせ。

あたかも。
家の明かりが。

点いたかのように。
二階家の窓ガラスを朱に染める。

そうして。

夜が明けるまで。
人間の編み出した光の糸は。
周囲を包む。

人は。
そんな光の中で・・・・

永遠からみれば。束の間の。
夢に過ぎない人工の光の中で。

暮し。語り合い。
笑い。喜び。哀しみ。生きている。

オレは。
最後のタバコを唇にはさみ。
紫煙をあげる。

煙は渦を巻いて彼方へ消える。
吸い終えれば。

やがて。

バイク音とともに。
朝刊が配られ。

炊飯器のタイマーは。
作動を始めるだろう。

人工の光は終わりを告げ。
ふたたび。原始の光が街を照らすのだ。

もう。

朝は近い。